劇場版ラブライブ!サンシャイン!感想【ネタバレ注意】

サンシャイン!の映画、見てきました。まだ一度しか見てないですがこの感情を忘れる前に感想を綴っていきます。ネタバレ全開なのでご注意ください。

 

僕はμ'sのオタクなので今回の映画はAqoursとμ'sの対比という視点で終始見ていました。

全体を通して、μ'sは「完成したユニット」であり、Aqoursは「未完成のユニット」であると感じました。

μ'sは最初こそ観客が0からのスタートでしたが以降は目立つ失敗は1期11話のノーブラのくだりの失敗くらいで基本的に右肩上がりで成長しラブライブで優勝し、劇場版でユニットとしての完成を迎え有終の美を飾りました。

一方Aqoursは最終的にラブライブで優勝こそしたものの、劇場版で言及されたように廃校は止められなかったし3年生が卒業して最初のライブで失敗したりと順調とは言えない軌跡を辿っています。千歌ちゃんの言葉を借りるなら何度も1になろうとして何度も0に戻ってしまっていたわけです。それでも、0になっても今までの思い出や軌跡は残ってるから0じゃないよ、という0の解釈の話が今回の映画のテーマではあるんですけど。

 

それで最初の「完成」「未完成」の話に戻りますが、無印の劇場版では完成を迎えたμ'sが最後に「僕たちはひとつの光」を歌いながらエンドロールが始まり、観客である私たちがそれを見送って映画が終わります。歌詞にもありますが「小鳥」が大きくなって「旅立ち」を迎えたのです。それまでずっと応援してきたμ'sが終わりを迎えたことで私たちは涙し、あのとき深い喪失感に包まれたのではないでしょうか。

一方、本映画はラブライブで優勝したAqoursが3年生が抜けたことでスランプを迎えることから始まります。そして紆余曲折ありこれから6人で再び走り出すところで映画が終わります。これから新しいAqoursがスタートしますよ、というところで終わるため見終わった後は喪失感というよりは爽快感、これからへの期待の感情が大きかったです。

この辺りも「この9人しかいない、誰かが欠けたら終わる」μ'sと「3年生がいなくても続いていく」Aqoursとの対比なのかなと感じました。

 

閑話休題

「完成」「未完成」とμ's、Aqoursの対比の話をするときに語っておきたいこととして「才能」の話があります。

無印は言うならば天才たちの物語でした。μ'sもA-RISEも輝かしい実績を残しましたし、彼女たちは劇場版ではスクールアイドル全体を引っ張っていく存在になりました。

対して前者2グループと比べたらAqoursSaint Snowも凡人で失敗ばかりです。たくさん躓くしそう簡単に努力は実を結ばないし実績だって残せません。ラブライブ優勝という実績を残しながら自己を肯定しきれずさらに悩む。凡人たちが人並みに苦悩し、少しずつ前に進む、それこそ0→1へと向かうストーリーです。

「天才」と「凡才」、「理想」と「現実」、「勝者」と「敗者」、ラブライブ優勝の共通点を持つもののμ'sとAqoursは対照的な存在だと感じます。

閑話休題終わり。

 

 

そして今回のサンシャイン!の映画のテーマの話ですけど、個人的には「変わるもの」と「変わらないもの」にあると思います。卒業に伴って3年生がAqoursから抜けることが変化で、心に残ってる思い出やそれまでの軌跡が変わらないもの。これについてはイタリアのヨハネの建物(名前忘れました)にみんなで登ったときにも触れられてましたね。作中では「イタリアのこの景色は何百年も変わらない」と言われていました。このシーンは無印の映画でμ'sがアメリカの高層ビルに登って凛ちゃんが「この街はアキバに似てる」とか言ってたシーンを思い出しました。意図的に仕込んだのは分かりませんが。

ポスターのキャッチコピー、「きっと明日も輝ける!」は映画を見た後だと「Aqoursは変わっていくけれど変わらないものを心に刻んだからこれから先も輝ける」というニュアンスに感じました。

そしてラストシーン、何時かの時代、モブキャラがAqoursを思いながら私もあんなふうに輝きたいと言うシーンはAqoursがあの後も輝き続け次の時代へ繋がっていく描写だと思いますが、「叶え!みんなの夢…!」のキャッチコピーでスクールアイドルのこれからを作った無印劇場版へのアンサーに思えて涙腺にクるものがありました。

 

劇場版ラブライブ!サンシャイン!Over the Rainowは見終わった後これから頑張ろうと思わせてくれる元気で爽快なAqoursらしい映画でした。少なくとも何度も見に行きたいと思わせるパワーに溢れるいい映画だと思います。気付いてないところもたくさんあるので、とりあえず明日にでも2周目行ってきます。それでは!